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実験設定

長波放射スキームの吸収係数

長波放射の吸収は, 水蒸気 3 バンドと乾燥空気 1 バンドの計 4 バンドに簡略化し, 現実大気で観測される吸収量を参考にして吸収係数を定めている. 本論文では長波放射冷却率の鉛直分布を変えることを目的として, 乾燥大気の吸収係数に関して Numaguti (1993), Hosaka et al. (1998) で用いている吸収係数を中心 にして 5 つのケースの実験を行う.

積雲パラメタリゼーション

積雲パラメタリゼーションは, クラウドクラスターやスーパークラスターの進行方向や生成維持に大きな影響を与えることが知られている (Numaguti, 1991a). 本論文では, 降水活動の積雲パラメタリゼーション依存性も調べるため, 湿潤対流調節と Kuo スキームとの 2 種類のパラメタリゼーションを用いて実験を行う.

積分期間

実験 kuo-con, adj-con は, 等温静止状態を初期条件として時間積分を行ない, 1000 日目 から 1700 日目までのデータを解析の対象とした. 実験 mradlA シリーズは, kuo-con, adj-con でのそれぞれの 700 日目の状態を初期条件として時間積分を行い, 1000 日目 から 1700 日目までのデータを解析の対象とした.

表: 実験リスト
実験名 乾燥大気吸収係数 積雲パラメタリゼーション 備考
adj-mradlAa 6.0 * 10E-5 対流調節  
adj-con 5.0 * 10E-5 対流調節 標準実験
adj-mradlAb 4.0 * 10E-5 対流調節  
adj-mradlAc 2.0 * 10E-5 対流調節  
adj-mradlAd 5.0 * 10E-6 対流調節  
kuo-mradlAa 6.0 * 10E-5 Kuo  
kuo-con 5.0 * 10E-5 Kuo  
kuo-mradlAb 4.0 * 10E-5 Kuo  
kuo-mradlAc 2.0 * 10E-5 Kuo  
kuo-mradlAd 5.0 * 10E-6 Kuo  
長波放射加熱率鉛直分布

adj-con, kuo-con に用いた乾燥大気の吸収係数は, Numaguti (1993), Hosaka et al. (1998) と同じである. 図 ** は, 実験結果の長波放射加熱率を時間東西平均した赤道における鉛直分布である. 鉛直分布は, mradlAa, con, mradlAb, mradlAc, mradlAd の順に top-heavy の 構造になっている.



(a) 長波放射加熱率 対流調節



(b) 長波放射加熱率 Kuo

図 **: 長波放射加熱率を時間東西平均した赤道における鉛直分布

最終更新: Sun Nov 30 21:59:09 JST 2003

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