Colaprete et al.(2003) の数値実験では初期に飽和比が一定である温度
分布を与えている.
ここでは下層で飽和比一定, 上層で等温である基本場温度分布
355#355
を与える場合を考える.
上層での温度 356#356, 下層での飽和比の値 357#357, 地表面圧力 358#358 は既
知であるとする.
先ず飽和比一定の層での温度分布
359#359 を求める.
基本場においては静水圧平衡が成り立つので,
となる.
飽和蒸気圧を 361#361 とすると,
が成り立つ.
式 Tprof2 を式 Tprof1 に代入すると,
となる.
ここでクラウジウス・クラペイロンの式
及び理想気体の状態方程式
322#322 を用いると,
365#365 |
30#30 |
366#366 |
|
367#367 |
30#30 |
368#368 |
(D.5) |
となる.
369#369 での温度を 370#370 とし, 式 Tprof5 を 369#369 から 371#371 まで積
分すると,
となる.
Antoine の式
において 369#369 の場合を考えると,
374#374 |
30#30 |
375#375 |
|
376#376 |
30#30 |
377#377 |
(D.8) |
となる.
式 Tprof8 を式 Tprof7 に代入すると,
となる.
更に温度一定の分布 379#379 と飽和比一定の分布 380#380 が交わる高
度を 381#381 とすると, 式 Tprof9 より
382#382 |
30#30 |
383#383 |
|
384#384 |
30#30 |
385#385 |
(D.10) |
となる.
以上より,
となる.
但し温度分布を式 Tprof11 と与える場合, 387#387 に温度勾配の不
連続が存在し, 局所的に大きな温度の拡散が生じてしまうことになる.
そこで実際の数値計算では, 以下のように重み関数 388#388 を導入し, 温度一定
の分布と飽和比一定の温度分布をなめらかにつないだものを与えている.
389#389 |
30#30 |
390#390 |
(D.12) |
391#391 |
30#30 |
392#392 |
(D.13) |
但し 393#393 は温度分布の遷移の特徴的な長さスケールである.
Odaka Masatsugu
2012-05-11