付録C     CloudB の導出

質量314#314をもつ雲粒がまわりの大気の拡散によって成長する過程を考える. 拡散による雲粒の成長は

315#315     (C.1)

で表される. 316#316は雲粒の中心からの距離, 81#81は大気の分子拡散係数である. 大気の状態は定常かつ等方であると仮定してこの式を316#316について解くと
317#317     (C.2)

となる. ただし, 境界条件として318#318 319#319, 320#320 321#321を用いた. ここで理想気体の状態方程式 322#322を代入すると
323#323     (C.3)

となる. この式の両辺を 324#324で割ると
325#325 30#30 326#326  
  30#30 327#327 (C.4)

となる. ただし, 最後の変形には 328#328を用いた.

凝結が起きた時潜熱が解放される. この潜熱が熱伝導によって輸送されると仮定すると

329#329     (C.5)

が成り立つ. ここで168#168は大気の熱拡散係数である. 大気密度の拡散方程式と同様にこの式を解くと
330#330     (C.6)

となる. ただし, 境界条件として318#318 331#331, 320#320 332#332を用いた. ここでクラウジウス-クラペイロンの式
333#333      

を積分すると
334#334 30#30 335#335  
  336#336 337#337 (C.7)

となる. よって
338#338 30#30 339#339  
  336#336 340#340  
  336#336 341#341 (C.8)

となる. 最後の変形には式潜熱の時間変化を用いた.

式雲粒質量の時間変化, 飽和蒸気圧比の式より

342#342 30#30 343#343 (C.9)

となる. この式を整理すると
344#344     (C.10)

となる. ここで
345#345 30#30 346#346  
162#162 30#30 347#347  
164#164 30#30 348#348  

とおくと
349#349     (C.11)

となる. 350#350, 159#159はそれぞれ質量輸送, 熱輸送に関係する係数である. 160#160は飽和比である.

単位体積当たりの雲粒の個数を351#351とし, 雲粒の大きさが全て同じであると仮定 すれば単位体積当たりの凝結量72#72

352#352     (C.12)

で与えられる. 火星極冠周縁での温度・圧力条件を想定すると, 353#353 である. 従って
354#354     (C.13)

となる.

Odaka Masatsugu 2012-05-11