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10. 飽和比湿

10.1 はじめに

飽和比湿とは, 与えられた温度圧力のもとで飽和蒸気圧を 与える比湿の値である.

飽和比湿を計算するための式として, dcpam4では Nakajima et al. (1992) で使われた式 を用意している. 以下に 説明を記す.

10.2 Nakajima et al. (1992) で用いられた式

Nakajima et al. (1992) では, Eisenberg and Kauzmann (1961; この訳書が「水の構造と物性」だと思われる) で与えられている 水蒸気の飽和蒸気圧の表と式を近似的に表現する

$\displaystyle e^{*}(T) = p^{*}_{0} \exp \left( - \frac{L}{RT} \right)$     (10.1)

を用いている. ここで, $ p^{*}_{0} = 1.4 \times 10^{11}$ Pa である. この式から飽和比湿の式を書き下すと
$\displaystyle q^{*}(T, p) = p^{*}_{0} \exp \left( - \frac{L}{RT} \right) \frac{1}{p}$     (10.2)

である.

10.3 参考文献

Nakajima, S., Hayashi, Y.-Y., Abe, Y., 1992: A study on the ``runaway greenhouse effect'' with a one dimensional radiative convective equilibrium model. J. Atmos. Sci., 49, 2256-2266.
カウズマン・アイゼンバーグ著, 関集三・松尾隆祐訳, 1975: 水の構造と物性, みすず書房, pp.302.


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Yasuhiro MORIKAWA 平成20年6月25日