USB メモリへの Debian 11 のインストール

はじめに

本文書では,授業準備として行なった Debian 11 の USB メモリへのインストールについてまとめる. なお, 通常の CD/DVD 用インストーラでは USB メモリへのインストールがうまくいかず (USB メモリへの grub のインストールで失敗する),Live イメージを立ち上げて Debian インストールを行うことにした.

また,以下では USB メモリとして SanDisk SDCZ73-032G-G46 [32GB] を用いる. この USB メモリは読み書き速度が早く,USB メモリからブートした Linux を快適に扱うことができる (USB メモリによっては遅くて Linux が使いものにならないことがある).

Debian のインストーライメージの取得

  • <URL:https://cdimage.debian.org/debian-cd/current-live/amd64/iso-hybrid/> より, Debian のライブイメージを取得する.
  • 取得したイメージを USB メモリに焼く. Linux から焼く場合は dd コマンドを用いればよい. 以下では iso イメージを焼く先の USB メモリのデバイス名が /dev/sdb であることを仮定している. Windows で iso イメージを焼く場合は balenaEtcher を使うと良いだろう.なお, デバイス名の確認は dmesg コマンドで行える.

    $ sudo dd if=debian-live-11.3.0-amd64-xfce.iso of=/dev/sdb bs=4096

Debian のインストール

以下では図は Debian 10 のままであるが,Debian 11 でも選択肢は基本的に同じである. 適宜読み替えてもらいたい.

  • Live イメージを起動したら,デスクトップ上の「Install Debian」をダブルクリックする.
  • Debian GNU/Linux インストーラで以下の設定をする.
    • ようこそ:言語:日本語

  • ロケーション:アジア,ゾーン:Tokyo

  • キーボード:Generic 105-key / Japanese / Default (デフォルトから変更する必要なし)

  • パーテーション:
    • ストレージデバイス:USB メモリに変更すること.
    • 手動パーティションを選択.
    • 既存のパーティションは全て削除
    • 「新しいパーティションテーブル」で GPT にする
    • パーテーションは 2 つ作り,boot/efi に fat32 で boot フラグを立てたパーテーションを割り当てることがポイントである.
    • 今回は swap パーテーションは作らない.

  • ユーザ情報:適宜設定.

  • 要約:確認して「インストール」を押す
  • インストール:しばらく待つ

UEFI の設定

インストールしたデバイス (/dev/sdb) を parted コマンドで確認したところ, なぜか /dev/sdb2 (fat32) に boot フラグが立っていなかった.そこでフラグの変更を行った. また,/dev/sdb1 (ext4) に hidden フラグを立てないと起動しなかった.

# parted /dev/sdb

(parted) p

(parted) set 2 boot on      (これを行うと, boot,hidden,esp フラグが立った)
(parted) set 1 hidden on
(parted) p

(parted) quit

grub-install では removable media 用の EFI ブートファイルを用意してくれ ないことがわかった. 理由をよく理解できていないが, PC で Windows を立ち 上げた後に USB メモリから Linux を起動できなくなった. このページ を参 考に, /boot/efi/EFI/BOOT/ 以下に BOOTX64.EFI を置いたら問題が解決した. 以下, USB メモリのデバイス名が /dev/sdb の場合.

# sudo mount /dev/sdb2 /mnt
# sudo cp /mnt/EFI/Debian/grubx64.efi /mnt/EFI/boot/BOOTX64.EFI

Debian の再起動

USB メモリから再起動する. 必要に応じて UEFI BIOS の設定を確認する.

Debian の初期設定

以下では, Live イメージデスクトップ環境として Xfce を選択しているものとする.

電源管理設定

しばらく操作せずにいたときに,画面の電源が切れた状態から復帰しないことがある. そのために,操作しない場合でも画面の電源が切れない設定にする.

アプリケーション => 設定 => 電源管理 => 「ディスプレイ」タブにおいて, 「ブランク画面にするまでの時間」を最大に. 

日本語環境

ibus-mozc をインストールして再起動する.

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install ibus-mozc

再起動後に mozc を使う設定をする.

アプリケーション => 設定 => IBus の設定 => 「入力メソッド」タブにおいて mozc を追加.

エディタ, ページャー

よく使いそうなものを入れておく.

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install lv emacs gedit vim

スクリーンショット

$ sudo apt-get install scrot

その他

# apt-get install net-tools
# apt-get install tree
# apt-get install screen
# apt-get install pciutils
# apt-get install firmware-iwlwifi

# apt-get install openssh-server fail2ban