ESP32 マイコン
ESP32 マイコンとは
ESP 32 マイコンは, 近年, 「電子工作」の分野で非常によく使われるマイコンである. 本によっては,ラズベリーパイ,Arduino に続く「第 3 の定番」という言い方がされている. このマイコンは上海に拠点を置く Espressif System 社が 2016 年に開発した.
ESP32 の開発ボード. 図は<URL:http://akizukidenshi.com/img/goods/L/M-11819.jpg>より
定番の 2 強として君臨してきた Arduino やラズベリー・パイと同様に,
- 小型.
- I2C や SPI などの標準的なマイコン機能が使える.
- オープンソースでソフトウェアが提供されている.
- 性能の割に高性能・低価格.
といった特徴がある. ESP32 が第 3 の定番となったのは, 今どきのマイコンとして普通のことはできる (I2C, SPI, PWM, UART など標準的なインターフェイスを持つ) ことに加えて, 低価格のマイコンでありながら,
- Wi-Fi と Bluetooth が同時に使える
- IoT センサとして簡単に使える
- 低消費電力モード対応
- メインコアが停止していてもタイマや外部割り込みで自ら起動して専用メモリ内のプログラムを実行可能
- リアルタイム OS 対応
- freeRTOS が動作. マルチタスクプログラムの開発も比較的容易.
- デュアルコアの高性能な CPU を備える.
といった特徴を持っていたことが大きい. この特徴ゆえに,
- Wi-Fi でネットワーク接続することを考えると, Arduino に Wi-Fi モジュールを接続するよりも ESP32 を使う方が簡単である.
- 電源の取れない屋外などでの利用においては, ラズベリーパイよりも省電力であり, かつ電池で長時間稼働させることが可能な ESP32 の方が有利である.
であり, ESP32 は IoT の流れにうまく合致したマイコンと言うことができる.
ピンアウト
ESP32 の各ピンは複数の役割を持っていることを理解しておく必要がある. プログラムの初期化プロセスにおいて各機能を利用する宣言をせねばならないことがあるためである. また, 内部 FLASH につながっているために使えないピンがあることにも気をつける必要がある.
- 赤色のピン (SD2, SD3, CMD, CLK, SD0, SD1) は内部 FLASH との接続に使用されているため利用できない.
- 青色のピン (SENSOR_VP, SENSOR_VN, IO34, IO35) は入力専用
- 緑字のピン (IO12,IO15, IO2, IO0, IO5) は起動に関係があるため, プルアップまたはプルダウンされている事がある.
ESP32 のピン配置. <URL:https://ht-deko.com/arduino/pic/esp-wroom-32_pinout_01.png> より.
資料のURL
- ESP32-WROOM-32
- ESP32について、細かなノウハウも含めて、盛りだくさんの情報が掲載されているページ(日本語)。売っているサイトの情報も。
- Expressif(メーカー)の資料のダウンロードページ
- the INTERNET of THINGS with ESP32
- ESP32(の諸々のバリエーション)についてのページ(ただし英語)
- ESP32 で利用できる関数のリファレンスマニュアル的なもの
- 文献情報が少なく、github でソースを探して読むこととは別に、関数の一覧や、型についての情報を与えてくれる便利な文献
- 桜美林大の森厚教授のページ
- ESP32の使い方入門【20個のチュートリアル】