2021 年度 組込システム (J5)

はじめに

本科目では ESP32 マイコンを用いて以下を目的とした演習を行う.

  • 比較的低級な C 言語から, 高級言語 (python, ruby) までの各種言語を用いたプログラミングを修得する.
    • ESP32 の公式な開発環境は C 言語.
  • 高級言語でのマイコンプログラミングの実際を理解する.
    • 呼び出し元の言語に応じたラッパーを作成し, ラッパーを経由して C 言語ライブラリを使用する.
  • マイコン周辺機器 (peripheral) のデータシートを (多少なりとも) 読み, それをプログラミングできるようになる.

解説

教材

教育ボード

本ドキュメントでは ESP32 マイコンを搭載した教育ボードを対象とする.


パーツPin など
LEDGPIO13, 12, 14, 27, 26, 25, 33, 32
スイッチGPIO34, 35, 18, 19
サーミスタ温度計GPIO39 (ADC1_CH3)
圧電ブザーGPIO15
GPS (GYSFDMAXB)GPIO16 (TX), GPIO17 (RX)
LCD (AQM0802A-RN-GBW)I2C (SDA: GPIO21, SCL: GPIO22, アドレス: 0x3E)
RTC (RC-8035SA)I2C (SDA: GPIO21, SCL: GPIO22, アドレス: 0x32)
SD cardSPI (MOSI: GPIO23, MISO: GPIO19, SCK: GPIO18, CS: GPIO5)
SHT75COM1: GPIO5,23, COM2: GPIO2,4


パーツPin など
LEDGPIO13, 12, 14, 27, 26, 25, 33, 32
スイッチGPIO34, 35, 18, 19
サーミスタ温度計GPIO39 (ADC1_CH3)
圧電ブザーGPIO15
GPS (GYSFDMAXB)GPIO16 (TX), GPIO17 (RX) (電源 GPIO5)
LCD (AQM0802A-RN-GBW)I2C (SDA: GPIO21, SCL: GPIO22, アドレス: 0x3E)
RTC (RC-8035SA)I2C (SDA: GPIO21, SCL: GPIO22, アドレス: 0x32) (電源 GPIO4)
SD cardSPI (MOSI: GPIO23, MISO: GPIO19, SCK: GPIO18, CS: GPIO2)
SHT75COM1: GPIO25,26, COM2: GPIO32,33 [LED と共有]

2 代目の基板は GPS と RTC の電源を切れるようになっている. GPS と RTC の電源を入れる時は以下のような命令が必要となる.

# GPS の電源を入れる                                                                                       
gps_pw = GPIO.new(5, GPIO::OUT)
gps_pw.write(0)
sleep 1

# RTC の電源を入れる
gps_pw = GPIO.new(4, GPIO::OUT)
gps_pw.write(0)
sleep 1

USB-Linux

USB ブートの Linux (Debian 10) を利用する. 演習ではイメージファイル (<URL:es-mruby2020.img> 29GB) の書き込まれた USB メモリ (SanDisk SDCZ73-032G-G46 [32GB]) を用いる.

USB メモリから Linux をブートするためには, 利用する PC の BIOS で以下を設定を行う必要がある.

  • BIOS のタイプ: UEFI (legacy では起動しない)
  • SecureBoot: 無効
  • Boot: USB メモリの優先順位を上げる.

ログインするための情報は以下の通りである.

  • user, live

演習

各種開発環境を用いたプログラミングの基礎

[1] Arduino IDE + ESP32ボードマネージャ



[2] ESP-IDF 環境 + C 言語


[3] MicroPython


[4] mruby/c

mruby/c で IoT (1)

課題:定期的に SHT75 センサで温度と湿度の計測を行い,その結果をサーバに送信するプログラムを作成せよ. 温度と湿度のデータは数分間隔で計測するものとし,サーバ上の grafana でデータを可視化せよ.なお, ディープスリープとマルチタスクは用いなくても構わない.

mruby/c で IoT (2)

課題:定期的に温度計測と GPS による位置計測を行い,結果を地図上にプロットせよ. なお,屋外で wifi が使えない状況にも対応するために,データは SD カードに保存せよ. データはwifi に接続できる場所 (演習室) に戻ってからサーバへ送信することとする.

注意事項:

  • 屋外へ行く前に必ず動作確認をすること (演習室で一通りの操作を行い, 問題ないことを確認すること).
  • 屋外では,1 分間隔でデータを取ること.20 分程度は外でデータを取ること.
  • 屋外のデータを Web 上にプロットしたのち,教員のチェックを受けること.
  • 提出物: Web のスナップショット + 作成したプログラム

TODO: 電池ボックス,SD カード, SD カードリーダー (USB) の配布

mruby/c でライブラリ開発

最終課題

課題:センサ用ライブラリ開発

  • センサを 1 つ選び,mruby/c のセンサー用クラス・メソッドを作成すること. 作成物は GitHub にプルリクすること.
  • 余力があれば,そのセンサを活用した IoT システムを考案・実装すること.

TODO

  • example のチェック
  • I2C の引数

[参考] mruby/c

[参考] 教材準備

ブート可能な USB-Linux のセットアップや, 各開発環境のセットアップ方法を以下にまとめる.

演習で使う Live-USB の img ファイルは <URL:es-mruby2020.img> (29GB) である. これを USB に焼き, しかるべく PC の bios (UEFI) を設定すれば演習環境を再現できる. なお, img ファイルを USB メモリに焼くには Linux の dd コマンドや Etcher など使うと良い.

謝辞