[1.1] NAT
NAT【Network Address Translation 】とは、プライベートIPアドレスを
Internetアクセスに利用できる本来の
グローバルなIPアドレスに変換し、ローカルなプライベートIPアドレスしか
割り当てられていないコンピュータから、透過的にInternetにアクセスできる
ようにする技術です。実際の変換はNAT機能を持ったルータ、もしくはそのルータ
の機能を備えたコンピュータで行われます。
特徴
    - 一つのグローバルアドレスを複数台のコンピュータで利用可能
    
 - パケットヘッダにある発信元と宛先のIPアドレスだけを識別するため、
        プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスの対応は
        常に1対1でなければならない。つまり、同時に1台しか
        インターネットにつなげないということ
    
 - 現在はこの機能を拡張したIPマスカレード(下記)が利用されていることが多い
 
[1.2] IPマスカレード
IPマスカレード【Internet Protocol Masquerade】とは、
上記のNAT機能を拡張したもので、こちらでは
複数のコンピュータが同時に一つのグローバルアドレスを利用できます。
特徴
    - 複数のコンピュータが同時に一つのグローバルアドレスを利用可能
    
 - IPアドレスの識別以外に、TCP/UDPのポート番号も識別することで
        複数台の利用を可能にしている
    
 - TCP/UDPのポート番号まで動的に変換されるため、Internet側からは
        アクセスできないという欠点もある。
        (セキュリティの面ではむしろ安全といえる)
 
IPマスカレード概念図(のつもり)
 
DHCP【Dynamic Host Configuration Protocol】とは、
LAN上のコンピュータにIPアドレスなどの必要な情報を自動的に割り当てる
プロトコルです。
DHCPサーバには、ゲートウェイサーバやDNSサーバのIPアドレスや、
サブネットマスク、クライアントに割り当ててもよいIPアドレスの範囲などが
設定されており、アクセスしてきたコンピュータ(DHCPクライアントが動いているもの)
にこれらの情報を提供します。クライアントが通信を終えると自動的に
アドレスを回収し、他のコンピュータが利用できるようになります。
特徴
    - LAN上にDHCPサーバさえあれば、クライアント側はほとんど
        ネットワークのための設定をすることなくInternetに接続できる
    
 - 上記の理由からネットワークの設定に詳しくないユーザでも簡単に
        Internetに接続できる
    
 - 様々な場所からInternetに接続するユーザは、本来場所ごとに
        設定を変更しなければならないが、それらの場所でDHCPが利用できれば
        接続する際に設定の変更をする必要が無くなる
    
 - サーバ側では、上記のネットワークパラメータの他、IPアドレスを
        DHCPクライアント用にいくつかまとめて用意しておくだけでよく、
        クライアントを一元管理できる
    
 - IPアドレスを動的に割り当てるため、IPアドレスの節約になる
    
 - DHCP のサーバ-クライアント間の通信には TCP ではなく,
        UDP が使用されている.
        ポートは 67番(サービス名:bootps[Bootstrap Protocol Server])が
        使用されている.
        (netstat コマンドに -a オプションをつけると見ることができる)
 
DHCP概念図(IPマスカレード併用時)