UNIX系の計算機が扱うファイルは 基本的に全て可変長レコードのファイルであり, 表向きブロック化という概念はない. 実際には, 何等かのブロック化が計算機内部で行われているものと 思われるが, それは, FORTRANユーザーのレベルではわからない.
書式つきのSEQUENTIAL ファイルでは通常のテキストファイルと同様に レコードの終りに行末記号が付加される. 行末記号はUNIXでは1バイトで LF, MS-DOSでは2バイトで LF, CR である.書式なしの場合には, レコードの最初と終り(または最初だけ)に, レコードを認識する何等かの記号が付加される. この記号は処理系によってかなりことなり, 同じ内部コードを採用している場合でも互換性はない.
DIRECT ファイルではレコードの長さが決っているので, レコードを認識するための記号などは付加されず, 決った長さのレコードがつながった最も単純なファイルとなる. (システムによってはファイルの先頭に固有のヘッダを 付加するものもある. )したがって, 変数の内部表現が同じであれば, ほとんどの計算機で互換性がとれる. さらに, システムによってはSEQUENTIALファイルに比べて, 処理速度が圧倒的に早い場合もある.
UNIX系の計算機においては, たとえ単に順番にレコードを参照する場合でも, 利用価値のあるファイル形式である.