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オブジェクト指向構成


  1. オブジェクト指向スタイル

オブジェクト指向スタイル

gtool5 ライブラリは独自のオブジェクト指向スタイルで記述されています。

実例を示しましょう。

gtool5 内部の各プログラムは以下のような構成を為しています。

データアクセスをするには必ず変数を開かなくてはなりません。 変数を開くというのを Fortran ではどう書くかというと、 たとえば

use gtool5
type(GT_VARIABLE):: var
charcter(TOKEN) :: filename
  ...

filename = "gtool4.nc"
call Open(var, filename)

のようになります。ある gtool 変数というのは type(GT_VARIABLE) 型の (Fortran の) 変数であらわされます。これを Open というサブルーチンに 突っ込むと、変数が開かれるわけです。ではこの Open の実体は どこにあるかというと、gtdata_generic モジュールに その手がかりが書かれています。

! 一部省略があります

interface Open

    subroutine GTVarOpen(var, url, writable, err)
        type(GT_VARIABLE), intent(inout):: var
        character(len = *), intent(in):: url
        logical, intent(in), optional:: writable
        logical, intent(out), optional:: err
    end subroutine

    subroutine GTVarOpenByDimOrd(dimvar, var, dimord, ount_compact, err)
        type(GT_VARIABLE), intent(inout):: dimvar
        type(GT_VARIABLE), intent(in):: var
        integer, intent(in):: dimord
        logical, intent(in), optional:: count_compact
        logical, intent(out), optional:: err
    end subroutine

end interface

ここで Open というインターフェイスは GTVarOpen と GTVarOpenByDimOrd と いう 2 つのサブルーチンが提供するのであるといっています。 上の例をコンパイルすると、単に Open と書いてあるところで コンパイラが引数リストに合う GTVarOpen を選択してくれるのです。GTVarOpen については別に書いたので そちらを見てくださいね。

Fortran 90 言語では Open のような interface 文に書かれている名前を総称名、 GTVarOpen などのような本当の名前を個別名といいます。 引数の型の違うサブルーチンは同じ総称名を持つことができます。 同様に、引数の型の違う関数は同じ総称名を持つことができます。 gtool5 ではこの総称名というメカニズムを使って多数の サブルーチンや引数を整理しています。

構造型名や総称名のリストは別のページにしました。

動的多相性をポインタで実現するアイデアは V.K.Decyk et al. (1998) から 得たものです。これによって gtgraph 層はすべて GT_DEVICE と GT_OBJECT の操作であるかのように利用できますし、gtdata 層はすべて GT_VARIABLE の 操作であるかのように利用できます。


$Id: lib-oop.rd,v 1.1 2008-09-23 09:55:27 morikawa Exp $
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