gt4f90io ライブラリは以下の環境での動作を確認しています.
過去には以下の環境でも動作したことが確認されています. 確認はしていませんが, 現在のバージョンでもおそらく動作すると期待されます.
gt4f90io は以下のファイル形式をサポートします.
また, 今後以下のファイル形式がサポートされるといいなと考えています.
gt4f90io のインストールは以下のように行います. 詳しくは各項目を参照してください.
gtool4 プロジェクト の「チュートリアル」では, インストールの実例も紹介されています. インストールがうまくいかない場合は参照してください.
Debian GNU/Linux を使用している場合は, <URL:http://www.gfd-dennou.org/library/gtool4/debian.htm> にて配布しているバイナリパッケージも利用できます.
乙部 直人さんが gt4f90io Windows バイナリ にて Intel Visual Fortran 用および G95 Fortran 用の Windows バイナリを作成・公開 しています.
gt4f90io を利用するためには, 以下のソフトウェアを 事前にインストールしておく必要があります.
Debian GNU/Linux を使用しており, netCDF バイナリパッケージを利用する場合
debian パッケージ [Fujitsu ver5 | Intel ver9.0 | G95]
上記 deb パッケージの他に netCDF の Development kit (netcdf-bin パッケージ) もインストールする必要があります .
ソースからコンパイルする場合
ドキュメントを生成するためには以下のソフトウェアを 事前にインストールしておく必要があります. ただし, gt4f90io の TGZ パッケージ から入手する場合には既に生成済みです.
適当な作業ディレクトリでソースアーカイブを展開します. ソースは gt4f90io-バージョン というディレクトリに展開されます.
$ tar xvzf gt4f90io-current.tgz
または
$ zcat gt4f90io-current.tar.gz | tar -xvf -
環境変数 FC に使用する Fortran コンパイラを指定してください. 以下は, 利用するコンパイラが frt の場合です.
sh, bash の場合
$ FC=frt ; export FC
csh, tcsh の場合
$ setenv FC frt
最適化やデバッグのためのオプションは環境変数 FFLAGS に設定してください. 以下の例は frt の高速化と 並列化のためのオプションです.
sh, bash の場合
$ FFLAGS="-Kfast,parallel" ; export FFLAGS
csh, tcsh の場合
$ setenv FFLAGS "-Kfast,parallel"
展開されたディレクトリに移動し, ./configure
を実行します.
--with-netcdf=
には netCDF ライブラリのパスを指定します.
(以下の例は /usr/local/netcdf/lib/libnetcdf.a にライブラリがある
場合のものです).
このコマンドによって Config.mk
ファイルが生成されます.
netCDF ライブラリが共有ライブラリである場合,
--with-netcdff=
も指定する必要があるかもしれません.
詳しくは下記のオプションの詳細を参照してください.
$ ./configure --with-netcdf=/usr/local/netcdf/lib/libnetcdf.a
ビルドには GNU make が必要となるため, configure は PATH 内から 自動で GNU make を探査しようとしますが, もし見つからない場合, エラーを返します. その場合には環境変数 MAKE に GNU make コマンドを指定して再度 configure を実行してください.
インストール先などを変更したい場合は, 以下のように --help
オプ
ションをつけることで, 指定可能なオプションリストが表示されます.
$ ./configure --help
主なオプションに関しての説明です.
--with-netcdf=
ARG--with-netcdff=
ARG--prefix=
ARG /usr/local/gt4f90io
です.
--host=
ARG--libdir=
ARG /usr/local/gt4f90io/lib
です.
--includedir=
ARG /usr/local/gt4f90io/include
です.
--bindir=
ARG /usr/local/gt4f90io/bin
です.
--with-docdir=
ARG /usr/local/gt4f90io/doc
です.
--with-gt4libname=
ARGlib
<ARG>.a
となります.
デフォルトは gt4f90io
であり, その際のライブラリ名は
libgt4f90io.a
となります.
--with-gt4suffix=
ARG ffc5
と指定すると,
インストール先のディレクトリのプレフィックスが
/usr/local/gt4f90io-ffc5
, ライブラリ名が
libgt4f90io-ffc5.a
, インストールする実行ファイル名は
gt4frt.ffc5
, gt4config.ffc5
等のように
なります.
--with-lang_conform_check=
ARG95
"
のみ指定可能です. コンパイラによっては指定できません.
--enable-debug
--with-abort=
ARGabort, errtra-setrcd, exit, setrcd, stop
のいずれか
を指定することで, 終了時に用いる Fortran の内部関数を変更することが
可能です. デフォルトは abort
です.
--config-cache
または -C
Config.mk
ファイルが生成されると同時に, config.cache
ファイルが作成され, ./configure
の引数に指定された netCDF
ライブラリの位置などの情報が保持されます.
再度 ./configure
を実行する際にもこのオプションを指定することで,
config.cache
が読み込まれ, 前回指定したオプション等が引き継がれます.
既に存在する config.cache
を無視する場合はこのオプションを
指定せずに ./configure
を実行してください.
例えば下記のように ./configure
を実行するとします.
$ ./configure -C --with-netcdf=/usr/local/netcdf/lib/libnetcdf.a --enable-debug
すると次回以降, 下記のように ./configure
を実行することで
netCDF ライブラリの位置や, デバッグオプションを付加する情報が
引き継がれます.
$ ./configure -C
Debian GNU/Linux で Fujitsu Fortran を利用している場合には,
Config.cache.debian-ffc* を config.cache
に移動して
./configure
コマンドを実行するだけで自動的に
ライブラリの位置が設定されます.
$ cp Config.cache.debian-ffc5 config.cache $ ./configure -C
環境に合わせ Config.mk
を手動で編集してください.
FC : Fortran コンパイラ SYSFFLAGS : コンパイル時・リンク時に必要なフラグ (Fortran コンパイラ実行時に必要なオプション) SYSLDFLAGS : リンク時に必要なフラグ SYSLDLIBS : リンク時に必要なライブラリ F90MODTYPE : モジュール情報の渡し方 DEST_LIB : gt4f90io ライブラリインストールディレクトリ DEST_INC : gt4f90io モジュールインストールディレクトリ DEST_BIN : gt4f90io 実行ファイルインストールディレクトリ DEST_DOC : gt4f90io ドキュメントファイルインストールディレクトリ MODS : モジュールファイル拡張子 MAKE : GNU make コマンド AR : アーカイブコマンド ARFLAGS : アーカイブ時に必要なフラグ RANLIB : アーカイブのインデックスを作成するコマンド
ビルドには必ず GNU make を使用してください. 他の "make" プログラムを使 用すると, 正しくビルドが行われません. 以降 GNU make のコマンド名を "make" と表記しますが, これらはシステムの GNU make コマンドの名前に置き換えてください.
./configure を実行すると, 以下のように GNU make のコマンド名が 表示されます. このメッセージに従って GNU make を実行してください.
Execute GNU make in the current directory, as follows. /usr/bin/make
マニュアルとコードリファレンスのコンパイルはカレントディレクトリ において, 以下のコマンドを実行してください. gt4f90io の TGZ パッケージ から入手する場合には既に生成済みです.
$ make doc
カレントディレクトリで以下のコマンドを実行してください. システム領域にインストールする場合には管理者権限が 必要です. (デフォルトの場合はシステム領域にインストールします).
# make install
ドキュメントをインストールする場合には以下のコマンドを実行します.
# make install-doc
カレントディレクトリにおいて, 以下のコマンドを実行してください.
エラーが生じずに
" *** Compilation and installation are succeeded !! ***
"
というメッセージが表示されればインストールは完了です.
$ make test-installed
ライブラリをクロスコンパイルした場合は, 下記のようなメッセージが 表示されます.
Cross compile mode will be used. First, change directory to ./test . Secondly, submit ... dc_string_test ... histtest ..., Thirdly, change directory to ./ . Last "make test-installed-c"
このメッセージに従い, 以下のようにテストを行ってください.
エラーが生じずに
" *** Compilation and installation are succeeded !! ***
"
というメッセージが表示されればインストールは完了です.
上記のように正しくインストールが行われたら,
gt4frt というシェルスクリプトが --prefix=
ARG
で指定されたディレクトリ以下の bin ディレクトリ ARG/bin
に作成されているはずです.
( --prefix=
を指定しなかった場合は
/usr/local/gt4f90io/bin/
以下).
このディレクトリへのパスを通してください.
以下は /usr/local/gt4f90io/bin/
以下に gt4frt
がインストールされた場合の例です.
sh, bash
$ PATH=$PATH:/usr/local/gt4f90io/bin ; export PATH
csh, tcsh
$ setenv PATH $PATH:/usr/local/gt4f90io/bin
gt4frt は gt4f90io ライブラリを利用した Fortran プログラムを 簡単にコンパイル, リンクするためのシェルスクリプトです. これまで利用していた Fortran コンパイラのコマンドの代わりに gt4frt を用いることで, 自動的に gt4f90io ライブラリへの リンク, モジュール群へのディレクトリ指定を行ってくれます.
$ gt4frt test.f90 /usr/bin/g95 -I/usr/local/gt4f90io/include -O test.f90 \ -L/usr/local/gt4f90io/lib -lgt4f90io -L/usr/local/lib -lnetcdf