葛飾北齋,富嶽三十六景
海の上に強い 風が吹けば波が立つ. これは北齋の時代からの常識である.

でも,なぜだろう?

空気よりはるかに重い水を持ち上げて, 巨大な水の山脈を作るのは大仕事である. なぜ風は,わざわざそんな大変なことをするのだろうか? そんなことをせずに, 滑らかな水面を吹き抜ける方が, はるかに「楽」なはずだ.

でも現実には, 嵐の中で鏡のように穏やかな海面を見ることはない. 嵐には荒れ狂う大波がつきものである.