放射MTGメモ(2015/07/13)
参加者
- 倉本圭, はしもとじょーじ, 高橋康人, 齊藤大晶, 大西将徳
系外惑星放射計算プログラムの開発 (大西)
- 対空間冷却による成層圏温度の見積もり
- 上空の薄い大気層を想定し, 大気層の射出と, 惑星放射, 太陽放射の吸収のバランスから温度を推定する.
- 惑星放射として, 地表面温度 320K, 100K or 140K 等温成層圏を仮定した場合の OLR を与えて見積もった.
- 成層圏温度は 110 K 程度と推定.
- 圧力が大きくなるほど, トータルの吸収断面積が小さくなることについて
- 吸収断面積は線吸収と連続吸収の寄与からなる.
- 連続吸収は圧力に比例する.
- 線吸収は圧力が大きくなると半値幅が大きくなり, カットオフで落とされる吸収が多くなるため, 線吸収の吸収強度は小さくなる.
- 線吸収と連続吸収の寄与を足し合わせたときに, 比較的圧力の低い場合には, 圧力が大きくなるほど吸収断面積が小さくなるのではないか.
- 1 〜 1000 Pa 程度の圧力で, 実際に線吸収がカットオフでどれほど落とされるのか確認.
- MT_CKD の連続吸収についてもどのように定式化しているか再確認.
- 成層圏温度が低温になった場合の放射計算の妥当性について
- 地表面温度 320K, 100K 等温成層圏を仮定した場合の, line-by-line 放射計算による加熱率分布について気になる点がある
- 対空間冷却近似では, 成層圏温度は 110 K 程度なので, 100K 成層圏の場合は, 成層圏は加熱になると予想したが, そうではない.
- 対空間冷却近似では, 圧力が低いほど冷却が強くなっているのに, line-by-line 計算では逆になっている.
- 惑星放射の冷却率の折れ曲がりが圏界面より下にあり, なぜここで折れ曲がるのか不明.
- 確認したこと
- 冷却率を適当なバンドごとに見てみると, 一次散乱アルベドがほぼ 1 になる高度から上空の冷却率がほぼ一定になっているバンドが多い.
- 現在の放射計算では, 一次散乱アルベドが 1 になると計算ができないため, その場合には, 1 - 10^(-16) を与えて計算している.
- 吸収を過大評価していることになる
- 1 - 10^(-16) を 1 - 10^(-15) として計算してみた
- 結果はほとんど変わらなかった
- 今後確認することなど
- 一次散乱アルベドが 1 になってしまう場合の値をもう少し大きく変えて (1 - 10^(-12) などとして) 計算してみたらどうか.
- もしこの部分が問題ならば, 一次散乱アルベドが 1 に近い場合と, 0 に近い場合で場合わけして計算することを考える.
- 対空間冷却で見積もった冷却率と, line-by-line 計算による冷却率の比較を行う.
- 地表面温度 320K, 100K 等温成層圏を仮定した場合の, line-by-line 放射計算による加熱率分布について気になる点がある
- mtg 資料
木星大気の放射計算(高橋康)
- 放射計算
- NH3, PH3 の光分解
- これまで光分解は考えてこなかったが, 上空で NH3, PH3 が多すぎるため光分解を考える.
- 0.1 bar より上では, 混合比 0 に設定して解いてみる.
- 短波長計算
- 0 - 10000 cm-1 で平衡計算 (熱放射, CH4 太陽光吸収)
- 10000 - 100000 cm-1 は参照として放射計算 (雲吸収, 散乱)
- 湿潤断熱源率
- これまでは乾燥断熱減率だけで計算を行っていた.
- 湿潤断熱減率を導入して計算したが, 影響は小さい: 再確認する
- 検討課題
- line-by-line 計算とテーブル参照の計算を比較する
- 1 ミクロンのアルベドの特徴について, observed との違いを検討する
- ECCM の雲を導入する
- Active での雲粒径の試行計算
- NH3, PH3 の光分解
- 論文執筆
- 結論, 議論の一部を除きおおよそ原案はできた.
- 今週中に原案は完成させる.
- letter を想定: GLR or ApJL を考えている.
惑星科学会
- 予稿投稿
- 大西, 高橋康, 齊藤
次回の日程
- 8/3 (月) 9:00-