放射MTGメモ(2013/01/22)

参加者

  • 石渡正樹、はしもとじょーじ、高橋芳幸、高橋康人、大西将徳

吸収係数の計算(大西)

  • MT_CKD 連続吸収モデル
    • モデル概要
      • (圧力、温度、光路長、水蒸気の混合比) を与えて、1. 水蒸気の連続吸収帯の吸収係数, 2. 光学的厚さ, を計算するモデル
      • 計算可能な波数範囲
        • default: 0〜10000 [cm-1]
        • プログラムの中を書き換えれば、0〜20000 [cm-1]の範囲で計算できる
          • cntnm_progr.f の L239-: (V1ABS, V2ABS, DVABS)=(BEGINNING WAVENUMBER, ENDING WAVENUMBER, SAMPLING INTERVAL(CM-1))
      • 大気組成
        • 連続吸収データ: H2O, CO2, N2, O2, O3
        • 大気組成の与え方(defaultでは以下のように与えている)
          • 乾燥大気の混合比(CO2, O2, Other)は決まっている。
            • N2: 78%, O2: 21%, Ar: 0.9%, CO2: 0.0345%
          • H2Oの混合比を与えて、全気体の混合比を決定
          • O3, N2O, CO, CH4の混合比は0となっている
            • O3の混合比を与えることもできる(プログラムの中を多少書き換える必要あり)
              • cntnm_progr.f の L215あたりに "WK(3) = 10.E-06 * W_dry" を加える(O3が10ppmの場合)
    • 計算可能な温度範囲について
      • 計算可能な温度範囲についての記述は特になし
      • 温度を変えて光学的厚さを計算し、妥当な温度範囲について検討した
        • 温度: 30 [K] 〜 2900 [K]
        • 圧力: 1013 [hPa], 光路長: 1 [cm], 水蒸気混合比: 0.01
        • 結果
          • (高温の場合): 350[cm-1]付近に、700[K]あたりから不連続な構造が計算されるようになり、1100[K]を超えると、負の光学的厚さが計算される。
          • (低温の場合): 2050[cm-1]付近に、100[K]を下回ったあたりから不連続な構造があるように見え、50[K]を下回るとこちらも負の光学的厚さが計算される。
        • 結論
          • 100〜600 [K] 程度が可能な温度範囲と考えられる
    • H2O連続吸収の吸収係数について
      • Self and Foreign water vapor continuum coefficientsを計算
      • さらに以下の2つの場合で異なる値が計算されている(この違いの意味は確認が必要)
        • without radiation field (self or foreign): [1/(cm-1 molecule/cm^2)]
        • with radiation field (self or foreign): [1/(molecule/cm^2)]
      • H2Oの連続吸収の吸収係数は温度の関数となっている(圧力に依存しない)
        • the self-continuum scales as ( Rself/Ro )
        • the foreign continuum scales as ( (Rtot-Rself)/Ro )
        • where R is the density rho [ R = (P/Po)*(To/T) ].
        • dimerによる連続吸収は考慮されていないのではないか(dimerの吸収は密度の2乗で効くため)
    • モデルの妥当性の検証
      • H2O の吸収係数は, Roberts et al., 1976 などと比較してはどうか
      • HITRANデータベース掲載のIntensityの和と、line-by-line計算(中心から25[cm-1]まで) + 連続吸収の吸収強度を比較してはどうか
  • 放射場計算プログラムの開発について
    • 光学的厚さを計算するプログラムを内部(または外部)にもつ
      • 温度、圧力、大気組成から光学的厚さを計算
      • HITRANデータベースよりline-by-line計算、MT_CKDプログラムにより連続吸収による光学的厚さを計算する
    • 大気の鉛直プロファイルの与え方
      • 他のdennou製品との互換性も考え、最終的にはnetCDF形式で鉛直プロファイルデータを渡すようにする
      • 光学的厚さを計算するプログラムなど、個々のプログラムを単独で使うことは想定されないので、このレベルはテキストでのデータ渡し

木星のガスの吸収線について(高橋)

  • k-分布の幅を10 [cm-1]刻みで取ろうとしているが、100 [cm-1]など広くとらないと、メリットが小さい
  • k-分布の係数計算を進める前に、line-by-line計算プログラムの検証をした方が良いのではないか

次回の日程

  • 2013/01/29(火) 9:00-