# 表題 dcl-5.2-c-gtk の deb パッケージ作成の手引 # # 履歴 2004/03/12 小高正嗣 ■ この文書について この文書は C 版地球流体電脳倶楽部ライブラリ DCL (dcl-5.2-c) + gtk1 対応パッチ debian パッケージ作成の手引である. ■ ソースダウンロード先 http://www.gfd-dennou.org/arch/ruby/products/ruby-dcl/dcl-C/dcl-5.2-C.3-gtk-8.tar.gz ■ 注意 ruby-dcl は dcl-c に含まれる cdclconfig コマンドの出力を利用してい る. dcl-c_*.deb パッケージのインストールディレクトリ, ライブラリの 置場などを変更した場合は, ruby-dcl も再度コンパイルしなおすこと. これをサボると ruby-dcl スクリプト実行時にカラーマップがない, など エラーを表示して実行できないことがある. ■ インストール先ディレクトリ構成(dcl-c_*.deb と同じにすること) /usr/lib/dcl-5.2-c/lib/ libcdcl52.a 置場 f2clib/ libf2c4dcl.a 置場 dclbase/ カラーマップ等の置場 include/ *.h の置場 bin/ cdclcc などのコマンド置場 /usr/lib/libcdcl52.a --> /usr/lib/dcl-5.2-c/lib/libcdcl52.a libf2c4dcl.a --> /usr/lib/dcl-5.2-c/f2clib/libf2c4dcl.a /usr/bin/cdclcc --> /usr/lib/dcl-5.2-c/bin/cdclcc cdclconfig --> /usr/lib/dcl-5.2-c/bin/cdclconfig cdclconfig52 --> /usr/lib/dcl-5.2-c/bin/cdclconfig52 /usr/include/cdcl.h --> /usr/lib/dcl-5.2-c/include/cdcl.h ■ 環境変数の設定 パッケージ情報に引用される環境変数 EMAIL と DEBFULLNAE を設定する. $ export EMAIL=odakker(at)gfd-dennou.org $ export DEBFULLNAE="Masatsugu Odaka" ■ 事前インストールパッケージ 事前に以下のパッケージが実行環境にインストールされているか確認する. dh-make dpkg-dev devscripts fakeroot libgtk1.2-dev (gtk-config を使えるようにする) gdk-imlib-dev libgtk1.2-dev をインストールすると, gtk1 関連のその他のパッケージも インストールされる. ■ deb パッケージ化: 初めての場合 1) ソースをダウンロードして展開後, ソースのディレクトリ名を <パッケージ名> - <バージョン名> に変更する. 名前に使える文字列は "a-z0-9","+","-" である. 大文字は 使えないことに注意. 今回の場合は $ mv dcl-5.2-C dcl-c-gtk-5.2.3.8 とする. 2) パッケージ情報の作成 次にパッケージ情報の雛型を作成する. $ dh_make -s これにより, ソースアーカイブトップディレクトリに debian ディレクトリ が作成される. 編集するファイルは以下の通り ・control パッケージ名などのパッケージ情報を記載する. セクションを指定. Section: math 依存関係は以下のように記述する. Depends : ${shlibs:Depends}, libgtk1.2 (>= 1.2.10-2.1), libglib1.2 (>= 1.2.0) Suggests : f2c (>= 20010821-3) Conflicts: dcl-c (>=5.2.3-2), dcl-c-gtk2 (インストール先, ライブラリ名が同じなため) 依存パッケージのバージョン名パッケージ作成環境にあわせて適宜変更 する. gtk 関連についてはコンパイル時に必要なパッケージとバイナリが依存する パッケージが異なることに注意. ・copyright ライセンス規定を記述する. 詳細は実ファイルを参照. ・changelog パッケージの更新履歴を記述する. これも詳細は実ファイルを参照. ・dirs パッケージのインストール先ディレクトリ. usr/include を追加する. ・docs パッケージに含めるドキュメントファイルを記述する. ここでは ソース直下の以下のファイルとディレクトリ名を記述する CREDITS HISTORY INSATLL README NOTE demo dvlop ・rules パッケージ化を行うための Makefile. configure にオプションを加え, インストール時にシンボリックリンクを作成する. - ヘッダ部 PREFIXLIB = dcl-5.2-c - config.status: ./configure --prefix=/usr/lib/$(PREFIXLIB) - install dh_installdirs usr/lib/$(PREFIXLIB)/bin usr/lib/$(PREFIXLIB)/lib usr/lib/$(PREFIXLIB)/include ... $(MAKE) install prefix=$(CURDIR)/debian/dcl-c-gtk/usr/lib/$(PREFIXLIB) - install: ... dh_link usr/lib/$(PREFIXLIB)/lib/libcdcl52.a usr/lib/libcdcl52.a \ usr/lib/$(PREFIXLIB)/lib/libf2c4dcl.a usr/lib/libf2c4dcl.a \ usr/lib/$(PREFIXLIB)/include/cdcl.h usr/include/cdcl.h \ usr/lib/$(PREFIXLIB)/bin/cdclcc usr/bin/cdclcc \ usr/lib/$(PREFIXLIB)/bin/cdclconfig usr/bin/cdclconfig \ usr/lib/$(PREFIXLIB)/bin/cdclconfig52 usr/bin/cdclconfig52 ... 3) パッケージ化 ソース直下のディレクトリにて $ dpkg-buildpackage -rfakeroot を実行する. その結果, 一つ上のディレクトリに dcl-c-gtk_5.2.3.8-X.diff.gz dcl-c-gtk-5.2.3.8-X.dsc dcl-c-gtk_5.2.3.8-X_i386.changes dcl-c-gtk_5.2.3.8-X_i386.deb dcl-c-gtk_5.2.3.8.orig.tar.gz が作成される. ■ deb パッケージ化: 再パッケージ化する場合 既に作成したパッケージに不具合があり, 再パッケージ化する場合, dcl-c-gtk_5.2.3.8-X.diff.gz dcl-c-gtk-5.2.3.8-X.dsc dcl-c-gtk_5.2.3.8.orig.tar.gz をダウンロードして $ dpkg-source -x dcl-c-gtk-5.2.3.8-X.dsc を実行する. これにより, debian ディレクトリを含むソースツリーが復元 できる. ソース直下に移動後, $ dch -i を行う. これによりエディタが changelog ファイルを時動的に読み込んで 起動する. 記載されるパッケージ番号も時動的に 1 つ繰り上がる. あとは新規パッケージと同様の手順でパッケージ化する. ■ deb パッケージ化: ソースが更新された場合. ソースが更新された場合(ここでは dcl-c-gtk-5.2.3.9 がリリースされたとする), 古いソースディレクトリにて $ uupdate -u dcl-c-gtk-5.2.3.9.tar.gz を実行する. これにより, 時動的にソースが更新される. 1 つ上のディレ クトリに新しいソースツリーが展開されているのでそちらへ移動し, あと は新規パッケージと同様の手順でパッケージ化する.