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火星大気放射対流の数値計算


地球の大気でよく見ることのできる積雲は主に対流によって形成されています. 積雲を形成する地球大気の対流は積雲対流と呼ばれています. 熱帯地方で発生する積雲対流は地球大気全体の循環に大きな影響を及ぼしています. そのためこれまで数多くの積雲対流に関する研究がなされてきました.

では赤い砂の惑星である火星大気における対流は いったいどのような姿をしているのでしょうか? 地表で発生した対流はどの位の高さまで達するのでしょうか? 風の強さはどの程度なのでしょうか?

火星大気中には水がほとんどないため, 地球大気の積雲対流のように対流にと もない雲が発生することはほとんどありません. しかし大気中のダスト (エア ロゾル) が大気を加熱し, 大気循環に大きな影響を与えることが観測および理 論的研究からわかっています. 水蒸気の凝結加熱の代わりにダストによる加熱 がある場合, 大気対流にどのような影響が生じるのかはこれまで調べられていません.

観測から火星大気の対流を直接的にとらえることは現在の所まだ困難です. そこで上記の疑問を数値モデルを用いたシミュレーションで解明しよう, というのが本研究のねらいです. くわしい内容は ながれマルチメディア 2001に投稿された論文をご覧ください.

英語版原稿はこちら

ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された火星の姿. 左側は大ダストストーム発生前(2001年7月26日), 右側は大ダストストーム発生後(2001年9月4日)の様子. (オリジナル画像は ハッブル宇宙望遠鏡画像集から取得).


最終更新日: 2001/12/17 小高 正嗣
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