存在できない化学種の推定の項で述べたが, 行列が非正則になった場合にはその当該温度圧力条件で存在できない化学種を推定する必要がある. 推定方法は前述の通りであるが, ここで推定を失敗した例を挙げておく.
かっては行列が 0 x = 0 となるのが非正則の原因であるとして, 最も値の小さい行(相毎のギブス自由エネルギーの最も小さい行)を取り除く作業をしていた. しかし化学ポテンシャルの絶対値に意味はなく, また初期値としてそれぞれの化学種に どれだけのモル数を割り当てるかによって結果が変わってしまった.
化学ポテンシャルの最も小さい行を削除 | 気相との平衡条件から推定 |
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