NEC SX-8 FORTRAN90/SX での gtool5 インストール
以下は, NEC SX-8 FORTRAN90/SX (クロスコンパイル環境) において gtool5 ライブラリをビルド, インストールした際のメモ書きです.
gt4f90io の際のメモについては NEC SX-6 FORTRAN90/SX での gt4f90io インストール を参照してください.
netCDF ライブラリの準備
netCDF ライブラリを準備し, ライブラリを置いてあるパスを 調べておいてください.
なお, netCDF をクロスコンパイル環境で作成するのはなかなか困難です. セルフコンパイルできるようにするか, もしくはシステム管理者に 用意してもらう方が無難でしょう.
過去に試行錯誤した内容については, NEC SX-6 FORTRAN90/SX での gt4f90io インストール の「クロスコンパイル環境で netCDF をビルドする際の問題」 を参照ください.
ダウンロード・展開
gtool プロジェクト より gtool5 の tar.gz パッケージをダウンロードします.
ダウンロードしたパッケージを zcat と tar で展開し, 作成された ディレクトリに移動します.
$ zcat gtool5-20XXMMDD.tar.gz | tar -xvf - $ cd gtool5-20XXMMDD
ビルド
環境変数 FC を指定し, configure スクリプトを起動します. (csh の場合は別途環境変数を指定してください). --with-netcdf には先に作成した netCDF ライブラリを指定してください. "SYSFFLAGS=-ftrace SYSLDFLAGS=-ftrace" はプロファイラを使用しない 場合には削除してください.
$ FC=sxf90 MAKE=make AR=sxar RANLIB=touch \ NCDUMP=/usr/bin/ncdump SYSFFLAGS=-ftrace SYSLDFLAGS=-ftrace \ ./configure --prefix=/home/username/lib/gtool5 \ --with-netcdf=/usr/local/lib/libnetcdf.a --host=sx8-nec-superux \ --with-getenv=nostd
configure スクリプトによるチェックが完了したら, ビルドを行います.
$ make
インストール
ビルドが完了したらインストール行います.
$ make install
gt5frt によって正しくコンパイルとリンクが行われるか, 以下のコマンドで 確認します.
$ make test-installed
ライブラリはクロスコンパイルされているため, 実行は別途行うべく 下記のようなメッセージが表示されます.
Cross compile mode will be used. First, change directory to ./test . Secondly, submit ... dc_string_test ... histtest ..., Thirdly, change directory to ./ . Last "make test-installed-c"
下記のような実行シェルを作成し, デバッグ用のジョブクラスへ 投入します. (SYSLEN や F_FF0 に関しては, 実行シェルで指定する環境変数 を参照してください).
#!/bin/sh #PBS -q v_deb #PBS -b 1 #PBS -o stdout.log -e stderr.log #PBS -v F_SYSLEN=32767 #PBS -v F_ERRMSG=STDOUT #PBS -v F_FF0=stderr.log #PBS -v F_PROGINF=detail #PBS -I "/home/username/gtool5-20XXMMDD/test/dc_clock_test,./in/" cd $STGDIR cd in ./dc_clock_test
dc_args_test に関しては以下のような実行シェルを記述し, 投入してください.
#!/bin/sh #PBS -q v_deb #PBS -b 1 #PBS -o stdout.log -e stderr.log #PBS -v F_SYSLEN=32767 #PBS -v F_ERRMSG=STDOUT #PBS -v F_FF0=stderr.log #PBS -v F_PROGINF=detail #PBS -I "/home/username/gtool5-20XXMMDD/test/dc_args_test,./in/" cd $STGDIR cd in ./dc_args_test arg1 arg2 arg3 --namelist=test.nml -s
上記の "Secondly, submit ..." にリストされるものを 一通り投入し, エラーが発生しないことを確認した後, 元の ディレクトリに移動後, 以下のコマンドを実行してテストを完了します.
$ make test-installed-c
gt5frt へのパスの設定
~/.bashrc など, シェルの初期化ファイルに gt5frt へのパスを 設定します. 以下はその例です.
$ vi ~/.bashrc PATH=$PATH:/home/username/lib/gtool5/bin ; export PATH
これで gtool5 ライブラリのビルドとインストールは完了です.