成層強度 (密度勾配) を測定するには, 各層のサンプルをとって塩分濃度を測るのが最も簡単で, 内部重力波,QBO の実験ともに, 最後に注入した塩水 (最後に攪拌タンクに残っていた塩水) の密度を測定して平均的な密度勾配を求めた.
しかし,局所的な成層強度の分布を調べるには, 近接した層の密度差を比較しなければならず, 必要な精度を確保するのはなかなか難しい. そこでレーザーを水平に成層流体中に入射させ, その屈折角度から成層強度の分布を求めた. この方法では密度勾配の絶対値を精度よく求めるのは難しいが, 密度勾配の相対的な分布を, 広い範囲で簡単に非接触で直接測定できる.
実際の測定では,基準ビームを確保する必要があるので, 一本のレーザー光をシリンドリカルレンズ (またはガラス棒) を 通してシート状にし, 水槽の手前と後方にそれぞれ1枚ずつ鏡を置いて, それぞれの鏡で反射されて返ってくる光の差を測定した.