研究してたこと、してること、したいこと

はしもとじょーじ
Last Updated on 20 May, 2002.



8.金星活火山探索
  [今村助手(宇宙研)との共同研究]

 近年発見された近赤外(波長1ミクロン)のウインドウを利用することで、金星地表の熔岩噴出イベントを雲の上からの観測によって検出する可能性を検討した.この近赤外の波長には、雲を透過することに加えて、金星地表条件下(温度が約750K)で温度の上昇に対して熱輻射が急激に増加するという特徴を持つ.そのため金星地表における熔岩噴出イベントは、周囲に比べて高温な熔岩から射出される過剰な輻射を観測することによって検出できる可能性がある.検出可能かどうかは、溶岩流の大きさとその表面温度によって制約されるが、雲層による光の散乱からも影響を受ける.そこでモンテカルロ法を用いた放射計算によって雲による散乱の影響を調べた.その結果、金星に典型的に見られる大きさの熔岩流は、噴出後1日程度の間なら検出可能であることが明らかとなった.

Hashimoto, G.L., and T. Imamura (2001) Elucidating the rate of volcanism on Venus: Detection of lava eruptions using near-infrared observations, Icarus, 154, 239-243. Link

解説文(PDF)


George L. HASHIMOTO